パンやごはんに含まれる炭水化物を制限するとで、血糖値の上昇を抑えることで、体重を減らす「糖質制限ダイエット」がブームになっています。
少し前までは、ダイエットの大敵はカロリーでした。
それに対して近年では、脂質が体内に蓄えられるのに血糖値が深く関係していることに注目が集まり、
カロリーよりも糖質を制限することで、ダイエットにつなげようとする考え方が広まりました。
それが「糖質制限ダイエット」です。
ところが、このダイエット法のやり方を間違えると、めまいがしたり、ひどい場合には動けなくなって救急車で運ばれるなどといったことが起こります。
そこで、「糖質制限ダイエット」は危険だとの認識が広まりつつあります。
しかし、そのような危険は間違った過度のダイエットが原因です。
糖質を制限した分のカロリーを補給することが重要
「糖質制限ダイエット」は、その成果がすぐに現れることが特徴と思われていました。
糖質を制限した分だけ、体重がすぐに減り、その結果に満足して更に糖質を減らそうとする。
その繰り返しで、体調の不良を訴える方が出たのです。
正しい「糖質制限ダイエット」では、減らした糖質の分だけ別の形でエネルギーを補給することを考えます。
人間のエネルギーになるのは、糖分だけではありません。
糖分が少なければ、脂質がエネルギーとして使われます。
更に、糖分も脂質もなければ最後にはタンパク質がエネルギーとして使われます。
タンパク質は体を作っている素材ですから、それが使われると筋肉の量が減り最後には動けなくなってしまいます。
これを避けるためには、減らした糖分の分だけ、脂質やタンパク質を取らなければならないのです。
全体のエネルギーの量が変わらなければ、体重の減少率も減ってきます。
それでは、ダイエットに繋がらないような気がしますが、急激なダイエットは長続きしませんし、ダイエットをやめたあとにリバウンドを起こしがちです。
ダイエットの成功の秘訣は、無理なく続けられて、最後には体質が改善され、目標の体重を維持できることです。
糖分を制限して脂質をエネルギーとして使われる体質になるまで続けることが重要です。
「脂肪は健康によくない」というのは誤り。
最近の研究では、脂質は健康によくないという考え方は間違いであるとの報告がされています。
むしろ、糖分の量が多すぎると死亡率が上がるという説が有力になっているのです。
厚労省も2015年版の「日本人の食事摂取基準」でコレステロールの摂取基準を撤廃しました。
和食は健康に良いという考えがひろくいきわたっていますが、糖質制限という意味ではあまり良い食事とは言えないかもしれません。