夜になかなか眠れない。夜中に何度でも起きてしまう。
そんな人も多いはず。
眠れなくなる原因はストレスなどの心理的なもの、
外傷などの肉体的なもの、様々な原因が考えられます。
そしてたいていの場合、原因がわからなかったり、
原因がわかっていても解決の仕方がわからなかったりするので、
非常に困ります。
しかし、その不眠は食生活を変えることでなくせるかもしれません。
日々の食事は、人間の睡眠サイクルに大きくかかわっていることが
わかっています。
食事の内容を変え、体を内側から作り替えることで、
毎日眠れないといった症状が改善するかもしれません。
そこで今回は安眠や快眠を促す食べ物や飲み物、
また、安眠を導くような習慣を紹介したいと思います。
眠気がでる仕組み
体内時計を調節したり、眠気を誘発する物質としてメラトニンというものがあります。
このメラトニンが体内で生成される流れは、
トリプトファン ⇒ セロトニン ⇒ メラトニン
という風になっています。
つまり、トリプトファンを主原料にセロトニンが生成され、
セロトニンを主原料にメラトニンが生成されるので、
トリプトファンを摂取する事が重要になります。
そして、このトリプトファンは必須アミノ酸という体内で作れないアミノ酸なので、
食事でしか補えません。
よって、トリプトファンを多く含む食品を摂取する事が、安眠に欠かせません。
ではトリプトファンを多く含む食品とはどのようなものでしょうか。
トリプトファンを多く含む食品
トリプトファンが多く含まれるのは、肉、魚、卵、バナナ、乳製品、豆製品、麺類、イモ類などです。
基本的に以上のような食品を摂取すればよいですが、
セロトニンの生成には、ビタミンB6と炭水化物も同時に摂取するのが望ましいとされています。
このビタミンB6は魚類や肉類に特に多く含まれています。
食事のタイミング
メラトニンは、光を浴びてから14~15時間で分泌量が最大になるとされています。
よって材料であるトリプトファンやビタミンB6の摂取は寝る前でない方が効果的です。
朝食として食べてしまうのが手っ取り早く、特にバナナがおすすめです。
バナナはトリプトファン、炭水化物、ビタミンB6、これら3つの要素が含まれるうえに、
調理の手間がないからです。
安眠につながる習慣
寝る直前に行うとよい習慣
腹式呼吸
腹式呼吸をすると、休息や眠りに入るときに働く副交感神経が刺激され、
リラックス効果を生むといわれています。
照明
寝るときに部屋を明るくしないという事も睡眠には重要です。
ですが、あまりにに暗くするのも逆効果ですので、
月明りなどの多少の明かりがあるとよいでしょう。
音楽
うるさい空間はもちろん、静かすぎる空間でも、人は寝るのが難しくなります。
うるさい空間で寝なくてはならない場合は、耳栓をつけるのがおすすめです。
一方、静かすぎる空間で寝る人は、自然音やヒーリングミュージックなどの音を、
寝る30分前から1時間前あたりから聞くとよいでしょう。
香り
香りを楽しむことは、リラックスにつながります。
アロマを焚いたり、ハーブティーなどを飲んで匂いを楽しむとよいでしょう。
そのために、お気に入りの香りを探して見つけておく事が重要です。
寝る時間よりも前に行うとよい習慣
起床時に日光を浴びる
朝に光を浴びることで、体内時計がリセットされ、
ちょうどよいタイミングでメラトニンを多く分泌するようになります。
寝る前にカーテンを開けておくなどして、起きるタイミングで自然と光を
浴びれるようにするとよいでしょう。
深部体温を下げる
寝る3~4時間前に、ウォーキングなどの運動を行えば、
深部体温と呼ばれる体の中心の体温が上がり、その後徐々に下がっていきます。
深部体温が下がるときに人は眠気を感じやすくなるので、
いったん深部体温を上げてから、下げる事は睡眠に重要です。
ほかにも、寝る1時間よりも前に、38~40度ぐらいのお風呂で入浴を済ませたり、
ストレッチを行うと睡眠に効果があります。
やるべきでない習慣
就寝前のお酒
アルコールが分解されてできる「アセトアルデヒド」という物質は眠りを浅くします。
就寝する数時間前にはできるだけ飲まないようにしましょう。
就寝前のスマホやパソコン
強い光の刺激はメラトニンの分泌を抑えます。
寝る1時間前には、スマホやパソコンなどを使わないようにしましょう。