体を動かす大切な栄養素 エネルギーの効果と必要摂取量は?

エネルギーは、体を動かす原動力となる大切な栄養素です。
ですが、自分がどの程度のエネルギーが必要なのかわからない人も多いはず。

自分が必要なエネルギー量よりも多くのエネルギーを摂取し続けると、体重が増加し肥満の原因にもなります。

そこで今回はエネルギーや、一日に必要なエネルギー量などを紹介したいと思います。

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エネルギーとは

摂取したエネルギーは身体活動に使われ、最終的にそのほとんどがとして放たれます。
このため、エネルギーの摂取量や消費量はジュール(J)やカロリー(cal)といった熱量の単位で表すことができます。

基本的に、エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回り続ければ体重は増加します。
逆に、エネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回り続ければ体重が減少します。

こうしたエネルギー収支の結果は体重やBMIの変化として現れます。

エネルギー管理

ダイエットや健康の為にエネルギーを摂取する量を管理するという事は、結局は体重やBMIの値を管理するということになります。
健康の点では、BMIが下の表の範囲に収まるのが最も健康的であるとされています。

 

年齢(歳) 目標とするBMI(kg/m^2)
18~49 18.5~24.9
50~69 20.0~24.9
70以上 21.5~24.9

 

しかし健康に関係する要因は様々なのでBMIを表の範囲に収めただけで健康的になるわけではありません。

エネルギー必要量の計算

18歳以上においては、推定のエネルギー必要量(kcal/日)を、

推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル

という式で計算することができます。

体重を維持するためには、この式で求めたエネルギーをちょうど摂取すればよいという事です。

基礎代謝量

基礎代謝量とは、覚醒状態で必要な最小源のエネルギーです。

BMI30までの日本人ならば、次の式で基礎代謝を推定することができます。

基礎代謝(kcal/日)=〔0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性: 0.4235、女性:0.9708)〕×1000/4.186

身体活動レベル

身体活動レベルはエネルギー消費量が基礎代謝量の何倍かを示した値であり、日常生活の平均的な活動の強度を表します。

身体活動レベルの推定を行う際は、生活や仕事の内容で、I(低い:1.50)、II(ふつう:1.75)、III(高い:2.00)という分類で推定を行うこともあります。
Iの日常生活の内容は、

「生活の大部分が座位 で、静的な活動が中心の場合」

IIの日常生活の内容は、

「座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合」

IIIの日常生活の内容は、

「移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合」

となっています。

エネルギー必要量の個人差

エネルギー必要量の個人差は大きく異なります。
それはエネルギー消費量に個人差があるためです。
例えば、成人男性では約200kcal/日の個人差があるという結果もあるほどです。

個人のエネルギー消費量を正確に測定することは極めて難しいということがわかります。

エネルギー必要量の計算例

エネルギー必要量の計算例を挙げると、次のようになります。

  • 身長175cm、体重70kg、身体活動レベルIの32歳男性が体重を65kgに減量したい場合

まず基礎代謝量を計算すると、

(0.0481*65+0.0234*175-0.0138*32-0.4235)×1000/4.186 ≒ 1520

という結果がでます。

身体活動レベルはIなので推定エネルギ必要量は、

1520*1.5=2280kcal/日

となります。

理論的には毎日2280kcalを摂取すれば、体重は65kgに近づいていきます。
ただ、エネルギー消費量には個人差があるので、本当のエネルギー必要量はこれよりも少なかったり多かったりするかもしれません。

推定エネルギー必要量の一覧表

性・年齢階級・身体活動レベル別の推定エネルギー必要量をまとめた表が、「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」のエネルギーのページに載っています。

この表を参照すれば、計算を行わなくても大まかに必要なエネルギー量を調べる事ができます。

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