心理テストは多くのまとめサイトなどで取り上げられ、一方でユーザーからは両極端な見方をされています。
信憑性がないという人は、脳トレや心理テストをオカルティックなものと断じ、気の迷いや言葉遊びの類だと思っています。また、妥当なものだと信じている人は、脳トレには必ず知能を上げる効果があり、心理テストで心が見透かされると考えます。それらはどちらも間違いで、本来脳トレも心理テストも、統計的にそういった傾向があることを根拠として治療などに役立てようとするものです。(脳トレは治療方法で心理テストは診断方法ですが)
治療や診断は、お医者様にも困難で、到底一般の人間にできることではありません。専門的な内容についてはネットやテレビの情報の取捨選択も難しいので、信じすぎて時間を無駄にしないようにしましょう。
実証に基づいた判断をする
先ほども述べましたが、昨今、心理テストはまとめサイトやバラエティー番組で取り上げられることがよくあります。精神疾患で受診する人が増えていることも一因でしょう。そうしたサイトや番組では、小説由来の心理テストがあたかも心理学者の考えたものであるかのように述べられています。そうした信頼性のないものも多いですが、本来脳トレや心理テストは、統計的に判断して意味があるものが採用されています。
100人いたら100人に当てはまるものではありませんが、確かに偶然ではないだけの多くの人に当てはまるとすれば意味があります。全員が確実に治らないからといって特定の治療方法や薬を無意味だと断じることがないのと同じです。
従って、それらがどのように統計処理されているかを把握し、実際に信じるに足るものなのか判断する必要があります。
テストの中身を知っていると意味がなくなる
しかし、テストの多くは統計処理がブラックボックスなだけでなく、テストの内容・結果も秘匿していなければ意味がなくなってしまうものがほとんどです。高齢者が自動車の認知機能テストの練習をすることや、精神疾患患者が事前に心理テストの内容を知っておくことを考えると、テストの内容を開示することがどれだけ愚かなことかわかるでしょう。
自分が楽しむ範囲で楽しむべき
成否の判断が難しく、そもそも実際に使えるものの情報が明かされていないとしたら、心理テストは全く無意味なものになってしまうのでしょうか?そうではありません。
もともと、心理学は主観的な心をいかに客観的に捉えるためのものです。自分の心をある質問の回答結果から分析しようと考えること自体には意味があると思います。しかし、自分で考えず信憑性の薄いサイトの「診断結果」に自分の心をゆだねるのは危険なことだと思います。やってみて、楽しむ・自分で考えることが必要だと思います。
例えば、よくある「サイコパス診断」なんかは、非常な状況でも論理的思考を伴う判断をすることができれば「サイコパス」であるということになってしまいます。そう回答したからといって人を傷つけたりうそをついたりすることに罪悪感を持たない人間であると断定するのは早計ではないでしょうか?
心理テストをするときは、まとめサイトやバラエティー番組の「専門家」のいう、根拠を示さない「診断結果」を鵜呑みにせず、自分で自分を見つめなおす材料として使ってみるのが良いでしょう。